初出:山陰中央新報いわみ談話室

六月。睡蓮のピンク色とヤマボウシの花の白が薄曇りの空に映えてとてもきれい。早朝、外に出るとキツネと遭遇したり、小鳥が果実をついばんでいたり。近くで野生の生き物たちのいとなみを感じるひととき。なんて幸せだろうといつも思う。机の上の絵だけを見ていたら、とっくに精神が参っているだろうと思う。

先日、仕事の疲れからか、腰痛と肩痛とジンマシンが出た。そんなに柔ではなかったのに。絵一筋の生き方を選んだのは無謀だったのではないかと落ち込んだ。ところが体調が回復するとケロリ!他の人生なんてあるわけがないでしょうにと思ったりして、どこまで単純だろうかと思う。
その仕事も江津に帰った当初は、都会の企業や出版社からの依頼の絵をボチボチと描いていくのかなと考えていたけれど、県内のいろんな方々と一緒に進める仕事が年々増えた。生活は「変化」するものだけれど、出会いも別れも全て道すじ。ひとつひとつに大切な意味があるということを実感している。

島根県人は努力家!と思うこの頃。ひとつは少子化対策。子育て応援パスポート「こっころ」のポスターやカードを担当させていただきながら、スタッフの方々のその根気と情熱にはずいぶん刺激を受けてきた。「婚活」という言葉が流行る前から島根県はそれを積極的に進めてこられていたし、「こっころ」の協賛店も増え続けている。家族の温もりを伝える「ことのは大賞」も浸透してきている。途中であきらめること無く、いろんな企画を考えて日々努力される姿を間近で見ると、感動してしまう。

もうひとつは13、14日に松江市で開催された食育推進全国大会のこと。島根県がずいぶん前から食育の大切さを広める活動をしていたことが評価されて島根県での開催が決まったのだそうだ。私も「食」と「心のバランス」は直結しているとずっと思っていた。私は食べることが大好き。それが役立った経験がある。私は「食いっぷりの良さ」でひとつの仕事をまかされたことがあるのだ。決して大食いということではなくて、出されたものを遠慮なく、おいしそうに食べるという意味で…。おいしそうに食べる人は精神のバランスがよく、仕事をまかせても大丈夫だと思ったと後になって聞いたのだった。
「食べることは楽しいこと。」そのイメージでと、食育推進大会のポスターを依頼されたときは、食いしん坊の私にピッタリ!と思い、嬉しかった。会場も横十二メートル以上の大パノラマの絵をディスプレイしたり、スタッフの方々がどうすれば楽しい雰囲気になるかを数々考案された。長期間休日返上でイベント成功に向けて努力されてきたスタッフの方々に心底頭が下がる思いだった。
島根県の人は努力家で頑張りやさんです!そんな人々に後押ししていただいているのだから、腰痛ごときで弱気になるものか!ガンバリマス!
2009年6月