(初出 山陰中央新報 いわみ談話室1月19日掲載)

昨年の大晦日、母が「今年もいっぱい喧嘩しましたが、色々とお世話になり、
ありがとうございました」といきなり言ったので「私こそお世話になりました」と挨拶。
新年は「今年も喧嘩しながら仲良くしましょう」というご挨拶。一体どういう母娘なんでしょ?

冬枯れの庭に、祖父が植えたさざんかの花が紅一点で咲いている。
そして黄色い夏みかんが、寒そうな庭を元気づけるようにぶらさがっている。
いつも通りの庭の景色の中に、いつも通りに庭仕事をする母がいる。

新しい年になったとはいえ、私は特別に目標を立てず、いつも通り。夢は何ですか?と聞かれると困る。
頂いた仕事を一生懸命にやることですとしか言いようが無くて。

昨年の暮れ、江津市子育てサポートセンターが主催するクリスマスコンサートに読み聞かせで出演した。
「赤ちゃん登校日」を島根県でいち早く取り入れ、大人として子どもたちに何が出来るかと一生懸命考えている人たちだ。
毎年、年末にはその仲間に入れてもらえるのは光栄だけれど、智翠館高校の素晴らしい演奏とパフォーマンスの後、
私の下手な読み聞かせをするのが申し訳ない気がしていた。
そこで、某小学校の校長先生が私と同級生であり、また、演劇や音楽の才能にあふれた人なので、
手伝ってもらえませんかとお願いした。幸運にも快諾してもらい、いよいよ練習となった。
ギターが入り、セリフも一部担当してもらったところ、あまりの上手さに度々あっけにとられた。
これなら子どもたちが絶対に喜んでくれるわ、と自信を持って本番に挑んだ。
無事に読み聞かせが終わって、内心ヤッタ〜という気分だった。それが、後でDVDを頂いて再生したところ、
校長先生はさすがに素晴らしかったけれど、私の読み方が、がっかりするくらい下手だった。
おかしいな、日本昔話の市原悦子さんを思い浮かべながら真似して読んだつもりが…。全くの棒読み。

友人がそのDVDを見たいと言うので送った。「やっぱり…下手だった?」と聞くと
「すごく上手とは言えないけど、絵描きなんだもん。絵描きが読み聞かせまで上手だとおかしいでしょう?」

なんだか、分かったような分からないような意見だったけれど、ああ、そうか…と妙に納得。

今井美術館の館長さんも、私が染色をやってみようかな?織物をやってみようかな?ギターを練習しようかな、
とか言うたびに「その時間、絵を描くべきだと思うけれど」とおっしゃる。
世の中にはいろんなことにチャレンジして自身の引き出しを増やしていく人が多いけれど、
私の場合はそういうタイプではないことがバレているのかもしれない。

そんなわけで、いつも通り、絵一筋で今年もガンバリマス!いつも通りのお正月のお話でした。