7月30日。

浜田マルイ主催のN響コンサートに出かけるつもりで、
母はその朝、初のショートステイ(一泊)に出かけた。
ホッとしながら、雨がやむ気配がないなあ…と思いながらテレビを見ていた。

「佐々木さん!佐々木さん!危険、もう限界、逃げて!」という男性の声が聞こえた。
え?危険?逃げて?と思いながら裏庭の廊下に出ると、そこまで水が来ていた。
裏山の土砂が崩れて、水路が塞がり、行き場が無くなった水が全部うちに流れ込んできているのが見えた。

恐ろしい光景だった。足がすくんだ。
急いでアトリエに行くと、アトリエの床が泥水でおおわれていた。夢かと思った。現実?

「これから崩れた土砂をとるけど、まだ雨が降り続くようなら高いところに逃げて!」
と言って男性は作業に戻られた。近くで水道工事をされていた人たち。
ショベルカーで、大急ぎで土砂を取り除いてくださっている。
すると、みるみる水位が下がった。

危険を知らせてくれたその男性は水道工事をしておられる原工務所の作業員の人。
猫が好きで、うちの前を通るたびに猫に話しかけておられた。
「そんなに猫がお好きなら、一匹もらっていただけませんか?」と言うと
「飼いたいけど、飼えんのよ」と残念そうにおっしゃっていた。
その方が、今回の豪雨で「佐々木さんちの猫は大丈夫かな?」
と思って様子を見に来られたのだそうだ。(猫は高いところに非難するから大丈夫なんだけど〜♪)
そうしたら、猫のことどころではなく、大水がうちに流れ込む様子を見て、
まずは市役所に電話。そして私に危険を知らせ、同時に同僚の方が土砂を取ってくださったわけ。
原工務所のその人たちの機転が無ければ、間違いなく、母屋も床上浸水し、
築90年近い古い家だから、壊滅的になっていたと思う。
まさに危機一髪、母屋が助かって嬉しい。
猫も一役買ってくれたということで。猫の恩返しかな?ありがとう。

それからが大変!

この泥、どうするの?と途方に暮れてアトリエを眺めていたら、
嘉久志消防団の人たちが大勢来てくださった。
放水してアトリエをおおっていた泥を外に出してくださる。
そのうち、親戚の和恵さんが「めぐさん、来たよ!」と言って手伝いにきてくれた。
和恵さんのうちも(久朋さん宅)浸水しそうで危なかったというのに。

見れば、長靴、バケツ、ぞうきん持参。涙が出た。
とにかくその和恵さん。動きが違う。私は途方に暮れてボーとしているだけ。
和恵さんはぞうきんの洗い方、しぼり方まで違うのだ。
ただ者じゃないぞ、と思って見ほれていた。

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夕方には、一応床は綺麗になった。外では、土砂の始末をしている業者の方がおられた。

「土砂に埋もれとるこの栗の木、もったいないねえ。
ずいぶん実をつけとるのに。どこの家の栗だろう?」とおっしゃるので
「うちの栗です」と言うと、「畑に移してあげようか?」って。
その人たちにしてみれば何の得にもならないのに、なんという優しさだろう。
人の情けが身に沁みた。おかげでうちの栗の木は命を吹き返した。

コンサート行きは中止。もうその元気は無かった。

翌日、何も知らない母が帰ってきた。
「あらま、私がいない間に大変なことが起きていたんだね」とびっくり!
それにしても、そんな危険なときに、安全な白寿園に泊めていただいて母はラッキーだった。

運が悪いとは到底思えない。救われたことの方が大きい。
またしても、いくら感謝してもしきれない人達と出会った。
どうしても御礼をしたい。何がいいか、楽しく考えている。

裏山は前から崩れやすくなっていて、度々陳情していた。

このたび、国に申請して本格的に周辺を整備することが決まったと
市役所の方が知らせにきてくださった。
本音を言えば、一足遅いですよ、と言いたい気持ちは山々。
でも、こうして大変な事態にならないと動けない江津の事情もわかる。

猫たちは相変わらず元気だ。おちびちゃん3匹も元気。