「父の法名の中に『香樹』という文字を見つけた。その人はいなくなっても香りは残る、という意味だと聞いた。人の心を温める日だまりのような言葉を父は持っていた。その言葉こそが父の香り。母と私の宝物だ。」

これは父が旅立った後、山陰中央新報いわみ談話室に書いた文の一部だけれど、この文を読んで下さった浜村一城先生が(テイチクからCDも出されている詩吟の名手であり、村山巴人という名前で漢詩の作詞も手がけていらっしゃる)漢詩「香樹」を私に送って下さった。先日のブログで浜村先生が会長をしておられる文化研究会でお話をしたということを書いたけれど、8日は浜村先生ご夫妻とお弟子さんたちが遊びに来られた。睡蓮が調度きれいに咲いていたので良かった!

漢詩「香樹」を、母と泣きながら読んだその日のことが思いだされた。

 香樹          村山巴人(浜村一城)

佐保姫を佐(たす)け野山を駆けり
木精の醒(めざめ)を促し林間を往く
恵音の幽(かすか)に響く眠りの森奥(しんおう)
未だ憔歌(しょうか)に遇わず香樹閑(しずか)なり

詩吟「香樹」を照れて詠えない?浜村先生の代わりにお弟子さんの三浦さんが急きょ詠って下さった。美しくせつないうた声に思わず涙がこぼれた。浜村先生が詠われた詩吟『香樹』のテープはプレゼントとして母が受けとった。母の一番の宝物になった。よかったね、母さん。

浜村先生から最新版遊子吟遊詩集(CD)童謡編(月の沙漠の漢詩を作詞)を頂いた。テープとCDを母と一緒に聞く。詩吟というものがこんなに深く心にしみいったことはかつてなかった。「めぐみ、お父さんにお礼していらっしゃい。お父さんが作ってくれた縁なんだから」と言うので仏壇に。おっ、今日頂いた三隅羊羹が供えてある。お父さん、もう食べたよね、と言って早速もらい受けた。抹茶を立てて母と羊羹を頂く。おいし〜い!

父と会えた日。
父がすぐそばにいると感じた1日だった。
幸せな母娘だと思った。感謝でいっぱい。

(6月22日。島根県芸術文化センターグラントワで、金子みすゞ会発足記念
「金子みすゞ心の旅」「美しい町雪月花」公道流吟剣詩舞道大会が開催されます。入場無料)