三隅の三保公民館へ行った。二宮金次郎の銅像がある古めかしい小学校がまずは目に入った。その隣が公民館だった。ものすごく迷って子どもに道を聞いてやっとたどり着いた時の嬉しさと言ったら!
文化交流会の会員の方々の前でお話をするためだった。これは文化交流会の会長をしていらっしゃる浜村さんとの不思議な出会いによるもの。

おと年のこと。新聞のエッセイに父のことを少し書いた。毎日父の病室に通っていたけれど、三日間ほど父のところに行けず、しばらくぶりに病室をのぞいた。父が驚いたような顔をして『メグは地球におったんか?』というので思わず『ちょっと月まで行ってたんよ』と答えた。そのことを新聞のエッセイのところに書いたら、浜村さんが手紙を下さった。その手紙には父を亡くした私への暖かい漢詩が添えてあった。母に手紙を見せると『まあ、浜村先生ですって?詩吟の名手で、男前で声はいいし、お母さんの憧れの人よ。浜村先生の詩吟を聴いて憧れて母さんも詩吟を習うことにしたんだから』と。しかも、少子化対策プロジェクトの仕事で出会った県庁の黒田さんの忘れられない恩師でもあるということが分かった。こんな縁てあるの?と驚いたのが昨日のことのようだけれど。浜村先生ご夫妻は童画展にも来て下さり、その後、今回のお話会に誘って下さったわけで。

何を話したかと言うと、まあ、いろんなこと。幼かったころの兄との思い出や、祖父母とのエピソード。ふるさとと私の仕事と言うテーマというか、そういったこと。そして出会い。大切にしている心の中の宝物、みたいなことよ、と心配して根掘り葉掘り聞く母に答えた。私が母の憧れの浜村先生と会ってきたものだから、いつになく熱心に聞くんだから。

心配しながらもしっかり畑仕事はしていたようで、草を焼いた煙がまだ立ちこめていた。
『あれ、一番咲きだね、睡蓮!』
6月にはボチボチ咲き始めるのかなと思っていたけれど、睡蓮がもう咲いた。嬉しいな。夢のように綺麗な色のバラも咲いた。ナデシコも可愛い。

お母さん、久しぶりに美味しいものでも食べに行く?
行く行く、何処に行く〜?と母。イタリア料理と参りますか。
人前はどうしても慣れず、無事に三保公民館の一日が終わったことの開放感で、ついそう口走ってしまった。まあいいや。叔母も誘っちゃお!