大好きな父さんが、旅立った。年が明けた5日の夜に。
とてつもない淋しさが押し寄せる。

輪ゴムで止めておいた今年の年賀状が、ぼんやりと目に入った。

でも、こんなに悲しいときに、わずかでも幸せを感じさせてもらえる人の心と出会っているのだ。
目に見えるものは何でもいつかは『無』になるけれど、人の心こそが、永遠に残り宝になるとずっと思っていたのに、その気持ちがさっきまですっかり消えていた。
今、限りなく、父の日だまりのように温かい言葉が思い出される。
ずいぶん前だけれど、父の病室を3日ぶりに訪れた時、『おまえさん、地球にいたのか?』と真顔で言うので、思わず『ちょっと月まで行っていたのよ』と答えたことがある。たった3日間父に顔を見せなかっただけなのに、娘は地球にいないのではと思ったほど、父にとっては長く感じたのだろう。

思い出して少し笑った。

父と母は私が照れるほど仲が良かった。
母の悲しみは私の比ではないだろう。
母さんのこと、おまかせください、父さん。

ひどく心細いけれど、私がすべきは絵を描くこと。それしかなさそうだ。
明日は100分の1ほどでも元気になろう。
あさってはまたもう少し…。