江津市の人麻呂とよさみ姫の絵本を描いてから久しいけれど、人麻呂についての講演会の案内を二つ頂いた。ひとつは日本で指折りの万葉集の研究家である中西進先生という方が地元の青陵中学校で特別授業をされ、生徒たちの後ろで私たちも傾聴させて頂けるという事だった。

万葉集の歌人で、最も優れた人は誰でしょう?
「柿本人麻呂です」
そう。その人麻呂の歌の中で最高の出来の歌が残っている場所はどこでしょう?
「江津市です」
そうだよね。よさみ姫との素晴らしい相聞歌が残っている土地だよね。

そんな風に子どもたちの興味をそらさない特別授業だった。私は久しぶりに生徒の気分になって、楽しかった。そして中西先生が「全国あちらこちらの学校へ行きましたがこんなに礼儀正しい生徒は初めて。」とおっしゃり、生徒の熱心さも抜群で異例の三十分延長の授業をされた。私も地元の生徒たちの挨拶の良さ、礼儀正しさにはいつも驚いている。自分の子どもではなくても、他県の人からそう言われるとどうしてこんなに嬉しいのかな?エヘヘ。

そして16日には山陰中央新報社西部本社社長の末成さんの「人麻呂の時代の政治的背景」についての講演会に行った。末成さんはかれこれ10年くらい前に、中央新報移動新聞社のイベントで、私の企画展をお世話して下さった方だ。毎日会場に出向いて下さり、絵についてたくさん語り、文化について心の熱い方だった。講演は今までとは違う角度のお話で時間が短過ぎると思ったほど面白かった。

今井館長さんと一緒に河村隆一のコンサートに出かけた。私にしてはこれだけ続けて出かけるのは珍しいことだったけれど。
生ギターとピアノという一番好きなスタイルだったし、「最後にボクの生の声を聞いて頂きます」とギター1本の伴奏で、マイクを通さず、彼のヒット曲を歌った。生の歌声が会場中に美しく響き渡り、心うたれた。素敵なコンサートだった。河村隆一さんも江津が大変気に入った様子だった。あれはおべんちゃらではないだろうと信じているけれど?「すごく良かったですよね、館長さん」「すごく良かったね、めぐみさん」ニコニコ顔で別れた。仕事していないんじゃないかって?してますよ〜。館長さんも私もフル回転でございます〜!

最近、同級生の斉藤君がうちの山桃の木を少し分けてほしいと言って、斉藤君が釣ったキスゴやらたくさんの野菜をおみやげに持ってきてくれた。おみやげは要らないのにね。何故山桃が必要だったかと言うと、彼の親しくしているおじさんが入院していて、そのおじさんが山桃をずいぶん懐かしがるので見せてあげたいと思って、ということだった。「見せてあげたいと思って」という気持が、なんて美しいのだろうと思った。なんだかホワ〜んと幸せな気持になった。

江津市は人麻呂伝説とか色々と誇るところがあるのに「江津はいいところだった」「江津の人はいい人だった」で終わってしまう、と誰かが言っていた。
でも「いい人」は今の時代に本当に宝物じゃないかなあ?私も一度くらい「いい人ですねえ」と言われてみた〜い。無いものね、「いい人」と言われた事が!
そうそう、昨日は4年ぶりに江津の山辺神社に伝わるホーランエンヤが開催された。祭りはやっぱりウキウキしていいなあ〜と思った。子どもたちのハッピ姿がとても可愛らしかった。