9月15日、一日だけの図画の先生になった。
温泉津の福波小学校。全校生徒21人。お母さん方も後ろで授業参観ということなので、例によって緊張のあまり眠れなかった。
木をふんだんに使ったきれいな校舎に驚く。
子どもたちの前に立ったとたんに全身に汗がにじんだ。別に悪い事をしているわけじゃないのに、どういうわけかなぁ〜?

仕事の依頼が来たら、それをどんな風に考えて絵を完成するかを、しかけえほん『ねむりひめ』を見せながら詳しく話したらラッキーな事に子どもたちの目が輝いた。とうとう相手が子どもだという事を忘れて話してしまった。私もいつのまにか夢中になっていたものだから。

『私が好きな事、好きなもの、そして私の夢』というテーマでハガキの大きさの紙に絵を描いてもらい、その一枚一枚に返事を書いて送るね、とみんなと約束をしたのだけど、何人かの子どもたちが『もっと大きな画用紙に描きたい』と言って担任の先生から大きな画用紙を受け取って帰ったそうだ。

それを聞いただけですごく嬉しくなった。10月の終わりにみんなの絵が集まるから楽しみ〜。その頃またこのブログで紹介したいと思っている。

さて、明日は数日前に仕上げた絵を依頼主に渡す日だ。小学校を定年退職される先生が記念に私の絵を望まれ、同僚の先生たちが費用を出し合ってその先生にプレゼントされるという絵だ。元気いっぱいの子どもたちの顔を思い浮かべながら描いたけれど。
こういう依頼の絵を描く時は本当に緊張する。昔、ある人が私の絵を買いたいとおっしゃった時、『印刷を媒体とした仕事をしているので原画は売りたくないのです』と答えた事がある。その人は『カレンダーやポスターはその用が終われば棄てられる。どんなに沢山の人に見てもらえたとしてもね。だけど、一人の人に絵を売れば、その人はその絵を一生大事にするよ。その方がいいとは思わんかね』とおっしゃった。

思いがけず、その言葉が素直に心に流れ込んできたのだった。
どちらがいいという事ではなくて、とにかく一点一点を懸命に描こうと思って描いてきた。ただ、いつまでたっても絵を渡す時のドキドキは解消しない。
もしも明日いい日になったら、ささやかなお祝いをしよう。久しぶりににケーキを焼こうかな。ダイエットなんてしていられないわ、こうなると!
いろんな人に出会ってきたこと。これからも絵が人と会わせてくれること。私は時々空に向かって『ありがとう』と叫びたくなる。