睡蓮の色が秋になって深くなったけれど、そろそろ終わりに近づいた。その淋しさをほぐしてくれるようにコスモスがいっぱい咲いた。土手に横一列に並んで咲いていて小学生がおしゃべりしているみたいで可愛い。気合いを入れて種をまいたところでは余り育たず、ここは無理かなあと思いながら蒔いたところが元気よく育つからふしぎ。アトリエの入り口では母の可愛い演出が。クスリ瓶を並べて小花を生けたり、ブランコの上にダリアを乗せたりして、母もあの手この手でいろいろと遊んでいる様子で〜。
最近、どうも仕事の集中力に欠け、息切れ状態だし、こんな時は特に花のかわいさにすごく救われる。

1日は可愛らしい訪問者あり。
青陵中学の佐々木美里ちゃんが、授業の一環で、私に人麻呂のことを聞きたいということで。確かに私は「人麻呂とよさみ姫」の絵本を描いたけれど、人麻呂に詳しいかというとそうではなくて〜、困ったなあと思った。でも、たったひとりでも、取材に来たいというのは勇気があるし、どんな女の子だろう?会ってみたいなと思ったので、引き受けることにした。朝9時半からなので、深夜仕事をして、そのまま寝ないで待った。ピッタリ9時半に美里ちゃんが先生と一緒に訪れた。恥ずかしそうに、でもきちっとあいさつをして、とても可愛らしい女の子だった。座るや否や取材が始まったからビックリしたけど。「まず、人麻呂のうたの特徴はなんでしょうか?」なんて聞かれて参った!
まあ、ここは、私の個人的な印象を話すしかないから、「情熱的で、正直で、勇気がある歌を作る人だと思う」と答えた。なにしろ、当時、女性のことを詠む場合、貴族に限られていて、平民の女性が歌に詠まれたのは「よさみ姫」だけだとか。もしも人麻呂が人目を気にするような男性なら、よさみ姫のことは歌に詠まなかっただろうし。私は、いつも自分の気持に正直なウソのない人麻呂が好きだと言った。勇気があるよね。ホント。歌を詠むという「表現」の中では人麻呂は決してウソは書けなかったのだろうと思う。
久し振りに「人麻呂とよさみ姫」の絵本を手に取ったけれど、この本は第二刷になっている。初版は確か3000部印刷されたけれど、未だにぼちぼちと人の手に渡っていることが嬉しい。

外国の人たちは、自身の国のこと、故郷のことを誇りに思い、詳しく語るそうだ。それに比べて日本人はそれを聞かれても答えられない人が多いとか。最低でも故郷のことは人に説明出来るくらいは知っておきたい。知ってもらいたいとも思う。

人麻呂は有名だけれど、私はむしろ江津市の誇れるところは「よさみ姫」じゃないかなと思っている。人麻呂が身分の差などもろともせず、心底愛した女性がこの地にいたということ。子どもたちにはもっと知ってほしいと思うし、ロマンの地ということに誇りを持ってほしいなと思って。 
美里ちゃんともっと話がしたかったけれど、時間切れ。ノートに熱心に書いていて、今度文化祭で発表するそうだけど、どんな風にまとめるのかなあ?美里ちゃん。楽しみ〜!!
彼女は帰るときに、スリッパをきちっと整えた。すごい!見習わなくっちゃ、美里ちゃんを。
それから1時間後、私は気を失うように眠ったけれど、なんとなく睡眠中にいい夢を見たような目覚めだった。 楽しい一日だった。