数年ぶりに風邪をひいた。ショウガ紅茶を飲んで、あれだけ気をつけていたのに。それで、かかりつけの病院で「先生、例の強力な鼻水止めをお願いします」と言ったけれど、数年前のカルテは簡単には見つからないみたいだった。多分これでしょうというクスリをもらってきた。確かに良く効くけれど、強烈な睡魔に襲われ、この4,5日、ロクに絵を描いていない。確定申告もあるし、心がざわざわして、やな感じ〜。それで、眠さを我慢する辛さと、鼻水の辛さを比べてみて、鼻水の辛さの方がマシだとわかり、クスリをやめた。というよりも、数日経つと、鼻水には慣れてくる。グジュグジュしていて当たり前ってな調子で。

頭だけはスッキリしてきたから、雨が上がってやっとおひさまが照った庭を歩いた。
一番好きな季節。毎年同じことを言うけれど、花や木から芽が吹いている今の季節が一番好き。
思えば、父の介護をしている頃、生命の息吹そのものの花芽を見つけたときの感激はひとしおだった。病人に無事に冬を越してもらうことは、本当に大変で、父に風邪をひかせまいとする私の神経質さは、目に余るほどだったかもしれない。父はもしかしたら呆れていたかな? 今になって反省する。でも、少しでも長生きしてもらいたいという子の心。こらえてもらいましょう。

畑のサクランボの木に花芽がたくさん。その下では水仙が勢い良く咲いていた。椿のつぼみが今にも開花しそう。白梅、しだれ桃もかわいい!

私が庭を歩くと、どういうわけだか野良猫がニャア〜とあいさつしてくれる。それも日替わりで違うネコが。どうなっているのかなあ?ネコ社会の仕組みって。

動物と言えば、先日思いがけず、動物写真家 岩合光昭さんがハイビジョンカメラで1年間に渡って撮影したシロクマの映像を再び見ることが出来た。数年前に見て、猛烈に感激した映像。それは花畑でまどろむシロクマだ。シロクマの映像となれば、辺り一面雪に決まっている。花畑の中のシロクマの映像はまず無い。カナダ・マニトバ州・フバートポイント沖の小島(と言ったって私にはそこがどの辺りなのかさっぱりわからないけれど)に夏になるとシロクマが花畑にやってくるといううわさを聞いて、岩合氏はそこに向かったそうだ。普通は、カメラを設置しても、そういう映像が撮れる可能性はゼロに近いとか。それなのに、奇蹟のようにシロクマが花畑にやってきた。まるで名カメラマンに撮っていいよと言わんばかりに、シロクマは素晴らしい姿を見せたのだ。ローズピンクのその花はファイヤーウィードという名前なんだって。そこに大きなシロクマが座り、ファイヤーウィードの香りを楽しんでいるような。人間で言えば、うふふと笑っているような表情を見せた。空を見あげ、うっとりしていた。花畑のローズピンクとシロクマの白色との見事なコントラスト。あったか〜い美しさに思わず涙が溢れた。いきなり流れた涙に自分でも驚いた。
今年、動物を主役にした大きめの絵を描く予定がある。そうだ、その中に花畑の中のシロクマさんも描いてみようかな?岩合光昭さんに許可を得なきゃいけないかなあ?