春の大嵐が続く。桜江町の桜はみんな散ってしまったかも。今井美術館の館長さんは出張中、月森さんは留守を預かり、なおさら取材には出かけられないだろう。あせるあせる。
時間がない。雨天決行。助手席に母、後ろ座席にテツというアドバイザー?を乗せて出発。取材中は車の中で待っていて、そのうち『お腹がすいたわ』という相棒たちでも、心強いと言えば心強いか…な?

市山に足を伸ばす。(上の写真、左側が神楽が舞われる集会所)
静かな山道を右折するといきなり町が広がっている。そこでは昔ながらの『大元神楽』が盛んだ。石見地方ほど石見神楽社中が多くてそれぞれ活躍している例は少ないだろうと思う。その中でも、きわめて神事的要素が強く、伝統が守り継がれている。子どもが舞えば、近所の大人たち全員が見にやってきて、お母さんたちは巻き寿司やちらし寿司を作って振る舞う。子どもたちはたった一つの出店のかき氷を薄ら寒いのにも関わらず、美味しそうに食べている。こんな風景には、しびれるのだ。取材中は天気が悪いせいか、あたりはひっそりしていた。
町を囲んだ山々はため息が出るほどきれいだった。

たぶん撮影は無理だけど、取りあえず星高山の『椿の里』に行こうか、と言って車で登る。途中から前方5メートルくらいしか見えないほどの霧。まぁ、雲の中にいたということ。かすかに椿が見えた。星高山は言わずとしれた江津の山で、遠足と言えば星高山だったけれど、いい道路がついて遠足というイメージは無くなってしまった。道路の端っこに車を止めて下界を眺めれば、これまた素晴らしいはずが、な〜んにも見えない。
また天気のいい日に来ようと言って星高山をおそるおそる降りた。

実はその日の朝、大事件?があった。桜江町の(元)佐々木町長さんから預かった子ども神楽のビデオが見あたらないのだ。大切なものをお借りしたというのにどうしようと、焦った。母も手伝ってくれて大捜索。幸運にも、最後に開けてみた戸棚にあった。どうやら大切なものだからとそこに入れていたみたいで、ホッとしたのが朝の9時。夜中じゅう仕事をしていたけれど、そのまま寝ないで取材に出かけたのだった。取材から帰ると、倒れ込むように眠った。特に犬のテツは疲れたとみえて大の字になっていびきをかいておりました!