父の葬儀が終わって一週間くらい過ぎた頃だろうか。一冊の絵本が届いた。
『ずーっと ずっと だいすきだよ』というタイトルの絵本だ。
心がフワフワとまだ落ち着かないまま、本を開いた。

でも、やがてエルフィーはとしをとり、ある朝、ぼくが目をさますと、
エルフィーがしんでいた。よるのあいだにしんでいたのだ。
かなしくてたまらなかった。でも、いくらかきもちがらくだった。
だってまいばんエルフィーに
『ずーっと、だいすきだよ』っていってやっていたからね。

相手が人間だろうと動物だろうと、愛するものに、心のありったけで
『愛している』と告げてあげよう。それは日々の暮らしを暖め
幸せにしてくれる。そしてやがてやってくる『死』をいたずらに嘆くことなく
愛の思い出が悲しみをいやしてくれるだろう、というのがこの本のテーマだと
書いてあった。

この絵本を送って下さったのは恩師の有賀先生だった。『佐々木君も、この絵本の男の子といっしょです』という言葉とともに。

その夜私は、描きかけの絵の前に座った。まだ描けなかったけれど、
気持ちが少し楽になったことを感じていた。

たぶん、私はおりおりにこの絵本を開いて見ることになるだろう。
その度ごとに強くなれる気がするから。

そうだ、この絵本を母に見せてあげよう。

母は毎日『お父さん、大好き!』と言って、父にほおずりしていたから。
母に『この絵本の男の子は、母さん、あなたといっしょです』と
心の中で告げながら…。

心の中で告げるだけでは、いけないのかなぁ、やっぱり?