昼間、庭の手入れをしている母を少し手伝った。ザクロの花の可憐な赤と、山桃の実の美味しそうな赤とあじさいの紫と、自然の色にはかなわないねえ、なんて話しながら。そこに京都の通販『茶の間』からの荷物が届いた。

『茶の間』の商品は梅干しやらお漬け物、お茶などがおいしいので時々取り寄せている。
これはそもそも昔ケルドセンクッキーのカンカンに私の絵が採用されていた時期があり、(これはなかなか可愛かったと思うけど)『こんな可愛いカンカンにサンドイッチを入れたらお洒落です!』と茶の間の本に特集してあった記事を伯父が見つけて私に送ってくれたのがきっかけだ。今回は『金魚のモビール』が紹介されていて、これは夏らしいし、可愛いねえ、と言って取り寄せたのだ。開けてビックリ!すべて自分で作るように、中には材料だけしか入っていなかった。私の不注意だった。
所沢の智ちゃんなら鼻歌まじりに作るだろう。いっそ智子に送ろうかなと思った。結局、考えられないほど不器用な私が仕事もしないで一晩中かかって完成。子どもでも私よりは上手に作るだろうという代物が目の前に!ああ、情けない。
でもこうしてみるとなかなか味があるじゃないの?と一人自分を慰める。

時間は大切なもの。参ったなあと思いながら雨上がりの庭に出た。
またもやカエルだ。居眠りカエル。半分寝ているカエルなんて初めて見た。
何だかこっくりこっくりしているんだから。
今朝の収穫だ。いえ、食べるわけじゃないけど。

 

 

 

 

さてこんな事をしていられないと、描きかけの大元神楽の絵に取りかかった。
この絵は今井美術館の館長さんから数年前の個展の時に依頼されたもの。
月森さんから『早く描かないと紙が腐りません?』と叱咤激励?されたので、慌てているけれど、もう色づけだけという段階になってずっと中断していたのだった。

 

 

 

大元神楽の絵は、その舞を詳しく描くのではなくて、朝まで続く神楽をお年寄りから子どもまで一緒に楽しむといった村の人々の、心底、嬉しそうな幸せそうな楽しそうな顔が私の主題となる。時間さえ切羽詰まってなければ、こんなに楽しい仕事はないけれど。とにかく頑張ります!

夜、素敵な場面に遭遇した。
母が見て見て、外!と言った。新入りの合歓の木に一番咲きの花が咲いた。
思わず写真をとった。でも不思議。一番咲きの花は夜に咲いた。見事に美しい扇形だ。合歓の葉っぱは寝ているのに、花は夜に咲くの?そう言えば白いぼんぼりのような変った合歓の花も夕方から咲き出すので、合歓の花は深夜型?
こんなに夢のような花があるのだろうか?
その一輪の花の姿は、フレヤースカートをはいた可愛い少女のように見えた。

ああ、こんな事をしている場合じゃないのだった。金魚のモビールを恨みがましく眺めながら、今夜こそ、仕事に集中しようと思っている。